大祭司はイエスに、弟子たちのことや教えについて尋問した。イエスは彼に答えられた。「わたしは世に対して公然と話しました。いつでも、ユダヤ人がみな集まる会堂や宮で教えました。何も隠れて話してはいません。…」ヨハネの福音書18章19-20節 (p.222)
序 論)弟子たちといっしょに「キデロンの谷の向こう」の「園」(18章1節p221)におられた主イエスは一隊の兵士と下役たちに捕らえられます。(12)
その後の主イエスと弟子のペテロのそれぞれの言動を通して示されることは…
本 論)
1.大祭司の前に立たれる主イエス
主イエスは大祭司カヤパの舅(しゅうと)アンナスのところに連れて行かれます。(13) (アンナスはAD6~15年まで大祭司の職にあった。)
カヤパは主イエスを亡き者にしようとしていました。(14)(ヨハネの福音書11章50節p207)
「シモン・ペテロともう一人の弟子」は主イエスについて行きました。(15a)
「もう一人の弟子」は「大祭司の知り合い」だったので彼とペテロは「大祭司の家の中庭」に入ることができました。(15b-16)
「門番をしていた召使いの女」がペテロに、主イエスの弟子であるかを尋ねます。(17a)
ペテロは「違う」と答えました。(17b)
主イエスを逮捕した下役たち(神殿警備の役人たち)やしもべたちが、「…炭火を起こし、立って暖まって」いました。(18a)
主を否認したペテロも、なお主のことを気づかいながら、 恐る恐る「彼らと一緒に立って暖まって」いました。(18b)
主イエスはアンナスによって尋問されます。(19) (ここでの「大祭司」はアンナスを指している。)
尋問の内容は「弟子たちのことや教えについて」でした。
主イエスは堂々と答えられます。
主はご自分の教えは「公然と」話された、と言われます。(20)
主が何を話されたかを証しできる人たちもいました。(21)
2. 主の弟子であることを否むペテロ
主イエスのお答えに反発し、大祭司の役人の一人が、主を平手打ちします。(22)
しかし、主は少しも動じられることなく、さらに答えられました。(23)
そのような仕打ちを受ける行いは何もしていない、と強く主張されたのです。
この後、主イエスはアンナスのもとからカヤパのもとに 引き渡されます。(24)
一方、ペテロは大祭司の官邸の中庭で下役たちといっしょに炭火にあたっていました。(25a)
彼らはペテロに二度目の質問をします。(25b)
彼はまた否定します。(25c)
三度目の質問者は、「ペテロに耳を切り落とされた人」マルコス(18章10節)の「親類」で、その時の目撃者でした。(26)
しかし、ペテロはまたもや自分が主イエスといっしょに いたことを否定してしまったのです。(27a)
すると、すぐに鶏が鳴きました。(27b)
主イエスがペテロについて予告されたことが、現実とな りました。(ヨハネの福音書13章37-38節p.213)
結 論)主イエスの十二弟子の一人イスカリオテのユダは、過越しの食事のとき、主のもとから去っていきました。(ヨハネの福音書13章30節p212)
主はユダが悔い改め、ご自分のもとに立ち帰ることを願っておられました。
そして、主イエスは裏切ってしまうペテロのためにも祈っておられたのです。(ルカの福音書22章31-32節p166)
主はそのような弟子たちをどこまでも愛され、大祭司の前で堂々と語られ、十字架への道を進んで行かれました。
私たちも弟子たちのように様々な弱さを持ち、罪を犯してしまう者です。
主イエスは弟子たちの、そしてすべての人の罪からの救いと罪の赦しのため、十字架にかかられました。
私たちも主のご愛と祈りに支えられています。
私たちも主にならい隣人のためにとりなし祈る者とさせていただきましょう。
主の十字架と復活の恵みに生かされ、主に従う歩みを続けてまいりましょう。