三位一体・第23主日礼拝 2025.11.16
聖書箇所: 使徒の働き19章8-20節
説 教 題: 「エペソでの伝道」
説 教 者: 辻林 和己師
あなたがたは以前は闇でしたが、今は、主にあって光となりました。光の子どもとして歩みなさい。
エペソ人への手紙5章8節 (p.390)
序 論) 使徒の働き18章23節からパウロの第三回伝道旅行の様子が記されています。
パウロはエペソに向かいます。エペソは、交通の要所で、アジア州の首都として栄え、経済・文化・宗教の中心地でした。
パウロの伝道によって起こった出来事から示されることは…
1、会堂からティラノの講堂へ
パウロは二回目の伝道旅行の時もエペソに来ていました。(18章19-21節p272)
もう一度、エペソにやって来たパウロは、今回は長い間、神のことばを伝え続けました。
三ヶ月間、神様を礼拝するために会堂に集まったユダヤ人たちに、神の国について語りました。(8)
ところがある者たちは、それを聞こうとせず、皆の前で「この道のこと」(救い主イエス様を信じ、従う生き方)について悪く言いました。(9)
そこでパウロは主イエスを信じた人たちと共に会堂を離れ、「ティラノの講堂」という所で話すことにしました。(「講堂」は町の人たちが様々な話を聞くための場所。)
パウロはそこで二年間、毎日、主イエスのことを伝えました。
その結果、エペソの人たちだけでなく、エペソの町があるアジア州に住む、ユダヤ人もギリシア人も「主のことば」を聞きました。(10)
パウロの働きには、ことばによる説得だけではなく、神様の不思議なみわざも伴いました。(11)
彼が身に着けていた手ぬぐいや前掛けを病人に当てると病気が癒され、悪霊さえ出ていきました。(12)(ここでの「前掛け」は、パウロが天幕造りの仕事をするときに用いられていたものだと考えられる。)
2、主イエスを信じて、生き方を変えた人たち
これらのことを聞いた「ユダヤ人の巡回祈祷師のうちの何人か」がパウロ自身に大きな力があると勘違いし、彼のまねをしました。(13)主イエスの御名を用いて悪霊を追放しようと試みたのです。(口語訳聖書では「まじない師」と訳されている。彼らはまじない、占いや魔術を行う者であった。)
彼らは「祭司長スケアの七人の息子たち」でした。(14)
しかし、悪霊は、主イエスの名やパウロのことは知っていましたが、彼らのことは知らず、彼らの命令には従いませんでした。(15)
悪霊は、主イエスへの信仰がない祈祷師たちには何の権威もないことがわかっていました。彼らは悪霊によって散々な目に遭わされました。(16)
この出来事を通して、エペソに住む大勢の人たちが神を恐れ、主イエスの御名をあがめるようになったのです。(17)
エペソは偶像礼拝、魔術、まじないが盛んな町であり、多くの人たちがその影響下にありました。
主を信じたエペソの人々は、自分たちがしていた、神様に喜ばれない行為(偶像礼拝等)を告白しました。(18)
魔術を行っていた者たちが魔術の本を持ってきて、皆の前で焼き捨てました。焼かれた本の値段の合計が銀貨5万枚に相当するほどになりました。(19)
こうして主のことばが力強く広まり、主イエスを信じる人たちが次々と起こされていったのです。(20)
パウロはエペソに三年間とどまり、みことばを語りました。(使徒の働き20章31節p278)
試練はたくさんありましたが、信徒たちにしっかりと教え、指導することができました。
こうして、エペソ教会が建て上げられていきました。
結 論)後にパウロはエペソ教会の信徒たちに宛てて手紙を書きました。
その中に次のようなことばが記されています。
「あなたがたは以前は闇でしたが、今は、主にあって光となりました。光の子どもとして歩みなさい。」
(エペソ人への手紙5章8節p390)
主イエスとお出会いする前の私たちは罪の闇の中にいました。しかし、主によって救われ、闇から光へ移され、光の子どもとされました。
当時のエペソのように、今も私たちの周りは、真の神様から引き離そうとするものがたくさんあります。
しかし、主イエスは聖霊とみことばによって私たちに罪や誘惑に打ち勝つ力を与えてくださいます。
そして、聖霊によって信じる者をご自身に似た者へと変え続け、成長させてくださるのです。
私たちは絶えず主イエスをあがめ、光の子どもとして歩み続けましょう。
