使徒の働き1章6~11節、2章1~4節

聖霊降臨日記念礼拝          2025.6.8
 聖書箇所: 使徒の働き1章6-11節、2章1-4節
 説 教 題: 「五旬節の日になって」
 説 教 者:     辻林 和己師

五旬節の日になって、皆が同じ場所に集まっていた。すると天から突然、激しい風が吹いて来たような響きが起こり、彼らが座っていた家全体に響き渡った。また、炎のような舌が分かれて現れ、一人ひとりの上にとどまった。
                使徒の働き2章1-3節 (p.233)

序 論)十字架で死なれ、復活された主イエスは弟子たちの前に40日間、御姿を現わされました。(3)
 その時、主は弟子たちに聖霊が与えられることを予告されました。(4-5)
 その後、主イエスが成されたことと、五旬節の日に起こった出来事を通して示されることは…

本 論)
1.主イエスの昇天と再臨の約束
 主イエスが「天に上げられる」(昇天される)前であっても、弟子たちの関心はまだ、イスラエルの国の政治的な行く末でした。(6)
 しかし、主は彼らの質問に答えることをなさらず、神様がなそうとしておられることを告げられました。(7)
 父なる神様が与えられる聖霊によって、弟子たちは力を受け、「エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで」(8)イエス・キリストの証人とされるのです。(8)
 その後、弟子たちが見ている前で主イエスは天に上げられ、雲に包まれてその御姿が見えなくなりました。(9)
 復活の主イエスを見た弟子たちは、さらに昇天される主の御姿を見たのです。
 彼らがなお天を見つめていたとき、「白い衣を着た二人の人」(御使い)が現われ、彼らに語りかけます。(10,11)
 彼らは、主イエスが力と栄光を帯びて天に上って行かれるのを目撃しました。それと同じように、力と栄光のうちに主はこの地上に再び来られるのです。
 「…またおいでになります。」(11)という主イエスの再臨の約束は、主イエスを信じて歩む者たちの大きな希望となりました。それは、今、キリストを信じて地上の生涯を歩んでいる私たちにとっても大きな希望です。

2. 聖霊に満たされた
 弟子たちはオリーブ山を下り、エルサレムの市内に帰りました。(12-13a)
 13b節はイスカリオテのユダを除いた11人の使徒たちの名が記されています。
 主イエスの実の兄弟たちは、主の復活の後に、弟子となりました。(14)
 弟子たち、女性たち、母マリア、主の兄弟たちは、「泊まっている屋上の部屋」で、神様に向かって心を合わせ、ひたすら祈りました。(14) 彼らは10日間、祈り続けました。
 「五旬節」(ギリシア語では「ペンテコステ」)は過越祭から50日目に行われる収穫の祝いのときです。(2章1節)「日になって」(1)は原文では「日が満ちる」という意味の言葉が使われています。
 主イエスが言われた「父の約束」(1章4節)が、すべての時が満ちて、ついに実現するとき、聖霊が降るときが来たのです。
 「風」の原語(ヘブル語)は「息」や「神の霊」を意味する言葉でもあります。(2)
  ここでの「激しい風」(2)は、神が霊として臨在されたことのしるしでした。
 また、「炎のような舌が分かれて現われ」(3)ました。
 「風と響きと炎」(2-3)は聖霊の力を表す象徴的現象でした。
 「舌」は言語、ことばを表しています。(「舌」の原語(ギリシア語)は「ことば」という意味もある)特に「福音のことば」を示しています。
 「一人ひとりの上にとどまった」(3)とあるように、一人ひとりに聖霊が与えられました。
 主イエスのみことば(1章5節)が成就し、「皆が聖霊に満たされ」ました。(4)
 そして、他国のいろいろなことばで話し始めました。

結 論) 聖霊に満たされるまで、弟子たちの心の中に恐れや疑いがありました。しかし、心を合わせて祈り、聖霊に満たされ、彼らは大きく変えられたのです。
 弟子のペテロもその一人でした。かつて彼も主イエスを裏切りました。しかし、聖霊に満たされ、力が与えられ、人を恐れないで、主イエスを伝える人に変えられました。 (使徒2章14-40節等)
 他の弟子たちもキリストの証人として各地に遣わされていきました。
 ペンテコステの日以降、主イエスを信じ、従うすべての人に神様は聖霊を与えてくださいます。
 聖書の中には、聖霊の様々なお働きを告げている箇所が多くあります。聖書が告げる聖霊による出来事やみことばを通して、聖霊のお働き、その恵みと力をさらに知らせていただきましょう。
 聖霊とみことばによって、造り変えられ、多くの人たちに主イエスを証ししてまいりましょう。