ヨハネの福音書16章1~16節

説 教 題: 「助け主、真理の御霊」

しかし、その方、すなわち真理の御霊が来ると、あなたがたをすべての真理に導いてくださいます。御霊は自分から語るのではなく、聞いたことをすべて語り、これから起こることをあなたがたに伝えてくださいます。
           ヨハネの福音書16章13節 (p217)

序 論)受難週の木曜日の夜、夕食(最後の晩餐)の席で主イエスは弟子たちにこれから起こることを告げられます。
 それは同胞のユダヤ人たちから迫害を受けることでした。(1-3)
 続いて主イエスは聖霊のお働きについて語られます。
 今回の箇所を通して示されることは…

本 論)
1.主イエスは去って行かれ、聖霊が来られる
 主イエスが地上で弟子たちと共に歩んでおられたときは主ご自身が世の憎しみを一身に受けて来られました。(4)
そして、弟子たちを守ってくださったのです。
 しかし、このとき、主イエスは弟子たちを残して父なる神様のみもとに行こうとしておられました。(5)
 それを聞いた弟子たちは、悲しみで心がいっぱいになり、主にどこに行かれるのかお尋ねすることもできませんでした。(5b-6)
 主イエスは弟子たちに警告のことばと共に慰めのことばを語られます。(7)
 主イエスが去られることが「助け主」(聖霊)が来てくださるために必要でした。
 そして、主イエスが去られることが、「助け主」の到来という「益」をもたらすことになると語られます。(7)
 続いて聖霊は、「罪について、義について、さばきについて、世の誤りを明らかになさいます。」と言われます。(8)
 この後、主イエスは十字架にかかられますが、それは主に罪がおありだったのではなく、世の不信仰という罪の故であったことが明らかにされます。(9)
 主イエスの復活と昇天の後、聖霊は父なる神のもとに行かれた主が義なるお方であることを明らかにされます。(10)
 主はこの世の裁判ではさばきを受けられましたが、そのこと(十字架の死)によって「この世を支配する者」(サタン)がさばきを受けます。(11)
 聖霊はこれらのことを世に対して明らかにされます。

2.聖霊が主の栄光を現わされる
 悲しみで心がいっぱいになっていた弟子たちはこれ以上主イエスのみことばを聞くことはできませんでした。(12)
 しかし、主が地上で語られなかったことは、主が去られた後、「真理の御霊」(聖霊)が来られ、そのすべてを明らかにしてくださいます。(13)
 「これから起こること」(13)は、目前に迫った主イエスの死と復活の出来事です。
 聖霊は主イエスが今まで語られたことの意味を彼らに説き明かしてくださいます。さらに、主の十字架の死と復活の意義を彼らに伝えてくださいます。(14)
 そして、主イエスの栄光を現わし、「すべての真理」(福音の真理)を明らかにされることが聖霊のお働きの中心です。(15) 
 主がここで言われる「わたしのもの」(15)は、ご自身の十字架と復活によって成される救いのみざわのことです。
 主が復活の後、昇天され、父なる神様の右の座に着かれた後、弟子たちに聖霊が降りました。
 聖霊は主イエスのみことばと主が成されたみわざの意義についての真理を明らかになさいます。 

結 論) ペンテコステ以降、使徒たちは助け主であり、真理の御霊である聖霊の力によって宣教し、主イエスを証ししました。
 世界中に教会が建て上げられ、AD397年カルタゴで開かれた教会会議で旧約、新約聖書が教会の正典と定められました。
 新約聖書(福音書、使徒書簡、ヨハネの黙示録)は真理の御霊の導きによって、使徒たちの証しが文書化されたものです。   
 旧新約聖書は主イエスを証ししているものです。(ヨハネの福音書5章39節p187)
 聖霊の導きを求めつつ、聖書を読み、父なる神、主イエスとの交わりをさらに深め、「十字架につけられたキリスト」を証ししてまいりましょう。(コリント人への手紙 第一 2章2節p328)