ヨハネの福音書14章12~21節

そしてわたしが父にお願いすると、父はもう一人の助け主をお与えくださり、その助け主がいつまでも、あなたがたとともにいるようにしてくださいます。この方は真理の御霊です。世はこの方を見ることも知ることもないので、受け入れることができません。あなたがたは、この方を知っています。
この方はあなたがたとともにおられ、また、あなたがたのうちにおられるようになるのです。
     ヨハネ14章16-17節 (p214)

序 論)受難週の木曜日の夜、主イエスはさらに弟子たちに語られます。彼らの使命、主に願い求めること、そして聖霊について語られました。みことばを通して示されることは…

本 論)
1.主のみわざを受け継ぐ

 主イエスはご自身を信じる者は主のわざを行い、さらに大きなわざを行うと言われます。(12ab)
 父なる神様は御子イエス様を地上に遣わされ、御子を通して救いのみわざを成されました。
 後に主イエスにより各地に遣わされた弟子たちは、福音を全世界に伝え、主を証しします。世界中に主を信じる者たちが起こされ、教会が建て上げられていきます。そのことを主は「さらに大きなわざ」と言われました。
 主は弟子たちがそれを行うことができる理由を語られます。(12c)
 主イエスは十字架で死なれ、復活された後、父なる神のもとに行かれます。(主は昇天され、神の右に着座される)
 そのことにより聖霊が弟子たちに降ります。 (使徒の働き2章1-4節p234)
 聖霊の力により弟子たちは「さらに大きなわざ」を成すことができるのです。
 さらに主イエスは主の御名によって求めることは何でも
 かなえるという約束をお与えになります。(13-14)
 ここで言われる「何でも」は主の御心にかなうことであれば何でも、という意味です。
 主がここで言われる「わたしの戒め」(15)は互いに愛し合いなさいという「新しい戒め」(13章34節p213)です。
 主イエスを愛する者は、その戒めを心に留め、喜んでそれを守ります。

2.助け主なる御霊の働き
 御子イエス様が願われると父なる神様は弟子たちに「もう一人の助け主」を送ってくださいます。(16)
 口語訳聖書のヨハネの第一の手紙2章1節ではイエス・キリストを「助け主」と言っています。
  「…もし、罪を犯す者があれば、父のみもとには、
  わたしたちのために助け主、すなわち、義なるイエス・キリストがおられる。」
(他の日本語訳では「とりなしてくださる方」(新改訳2017)、「弁護する方」(新改訳)、「弁護者」(新共同訳)、とそれぞれ訳されている)
 そして主イエスがこのヨハネの福音書14章16節で言われる「もう一人の助け主」とは聖霊のことです。
「真理の御霊」である聖霊は主イエスを信じる私たちと共にいてくださり、私たちの内にいてくださいます。(17)
 さらに主イエスはこの後に起こる聖霊降臨とご自身の再臨によって弟子たちのところに「戻って来る」ことを約束されました。(18)
 ここでの「その日」は、聖霊降臨日(ペンテコステ)以降のときです。
 主イエスを信じる者には聖霊によって父なる神様と主イエスが内にいてくださり、復活のいのちに生かしてくださいます。(20)
  
結 論)「わたしの戒め」(「互いに愛し合いなさい」という戒め)を保ち、守る人は主イエスを愛する者です。(21)
 主を愛する者を父なる神様と御子イエス様は愛してくださり、主ご自身の臨在(共にいてくださること)を現わしてくださいます。
 主イエスは十字架と復活により贖いを成就され、主を信じる私たちに聖霊を与えてくださいました。
 私たちは父なる神様、御子イエス様、聖霊の三位一体の神様のご愛と御守りと導きの中で歩んでいくのです。

(参考)
ヨハネの福音書14章16節の「助け主」と
 ヨハネの手紙 第一2章1節の「とりなしてくださる方」
 (新改訳2017)の原語(ギリシヤ語)はどちらも
「パラクレートス」(「傍(かたわ)らに呼ばれる者」)。 
「パラ」は「側(そば)で」「傍(かたわら)で」
  「クレートス」は「呼ぶ」という意味の言葉から
  派生した言葉。
   日本語では「慰め主」とも訳されている。