ルカの福音書24章13~32節

彼らは、これらの出来事すべてについて話し合っていた。
話し合ったり論じ合ったりしているところに、イエスご
自身
が近づいて来て、彼らとともに歩き始められた。
ルカの福音書24章14-15節(p.172)

序 論)主イエスが復活された週の初めの日(日曜日)の夕
方、
クレオパともう一人の弟子がエマオという村に向か
ってい
ました。(エルサレムから11㎞ほど離れた所)(13)
 彼らは「近ごろエルサレムで起こったこと」(18)につ
いて
話しながら歩いていました。(14)
 復活された主イエスが彼らに対してなされたことは…

1.彼らに近づき、共に歩んでくださる
 失意の中にある彼らに主イエスの方から近づいて来
てくだ
さいました。(15)
 彼らは一緒に歩いておられる方が主イエスだとは
まだ気づ
いていませんでした。(16)
 二人は暗く悲しい表情をしていました。(17)
 彼らは主イエスが預言者であり、イスラエルを
ローマの圧
政から解放してくださる方だと思って
いました。(19、21)

 しかし、主は十字架にかかられ、死なれたので
す。(20)

 二人は、朝早く、女性の弟子たちが主が葬られ
た墓で
神の御使いたちを見たこと、御使いたちが
主イエスは生き
ておられると告げたことを聞きま
した。(22-23)

 クレオパたちは、墓が空になっていたことを聞
いても
主イエスの復活を信じることができなかっ
たのです。(24)
 二人の弟子たちの話を聞いておられた主イエス
は、彼ら
の心の愚かさと鈍さが「預言者たちの言った
ことすべて」
(旧約聖書が証しする救い主がどのような
お方であるかとい
うこと)を悟ることを妨げている、と
告げられます。(25)

2.聖書を説き明かし、霊の目を開いてくださる
 主イエスは、旧約聖書が告げていたメシア(へブル語
「救い主」)は、受難を経て、栄光に入られるお方で
あるこ
とを告げられました。(26)
 主イエスは聖書全体(旧約聖書全体)に書いてあること
彼らに説き明かされました。(27)
 ここでの「モーセ」は旧約聖書の律法、「預言者
たち」
は預言書のことです。(旧約聖書は律法、預言者、
諸書(詩
や歴史書等)の三つに分類される。)
 二人は気づかないまま、主イエスご自身から聖書の
説き
明かしを聞いたのです。
 弟子たちの心に変化が起こり始めていました。彼ら
この「見知らぬ旅人」に心が引き付けられていまし
た。
 夕刻になり、彼らは主イエスに自分たちの家に
「一緒に
お泊りください」と強く勧めました。(29)
 主イエスは彼らの家の中に入られ、食事の席に共に
着か
れます。主はパンを取って神をほめたたえ、裂い
て彼らに
渡されました。(30)当時、食卓でパンを裂く
のはその家
の主人の役目でした。しかし、このとき客
である主イエス
がそれをされました。
 主がパンを裂かれる様子を見て、二人は心の目が開
かれ、
このお方が主イエスだと分かったのです。
すると主イエス
の御姿は見えなくなりました。(31)
 けれども、彼らはもう悲しくはありませんでした。
 彼らは、復活された主イエスが聖書を説き明かして
くだ
さったときのことを振り返りました。(32)
 主イエスが共に歩いてくださり、聖書を説き明か
してく
ださったことによって、その前に二人で話し合
っていたと
きの暗い顔は消え去っていました。
 彼らの「心は内に燃えていた」のです。(原文は「私
たち
の心は私たちの中で燃やされていた」)(32) 

結 論)復活された主イエスは今も聖霊によって私たち
一人
ひとりを訪ねてくださり、聖書の言葉を通して語
りかけて
くださっています。
 そして、主を信じる者の内に生きてくださり、共に
歩み
続けてくださいます。
 聖書の言葉は、私たちにとって日々の「霊の糧」です。
 礼拝や諸集会、日々の聖書通読、精読により聖書全
体(旧
約聖書と新約聖書)を通して神様の言葉を聞き続け
ましょう。
 復活された主イエスは、聖霊とみことばによって私た
にも大きな喜びや慰め、励まし、そして新たな力を与
えて
くださいます。
 復活の主イエスのいのちに生かされ、主と共に信仰の
を歩んでまいりましょう。