ヨハネの福音書4章39~54節

そして、さらに多くの人々が、イエスのことばによって信じ
た。彼らはその女に言った。「もう私たちは、あなたが話し
たことによって信じているのではありません。自分で聞いて、
この方が本当に世の救い主だと分かったのです。」
       ヨハネの福音書4章41-42節 (p.184) 

序 論)主イエスとお出会いし、主によって心新たにされた
サマリアの女性は、スカルの町に戻って、証しをしました。
それを聞いた町の人たちは、主イエスのもとにやって来ま
す。(28-30)
     その後に起こった出来事を通して示されることは…

1.福音は人から人へ
 多くのサマリア人が、女性の証しを聞いて主イエスを信
じました。(39)
 彼らの願いに応じられ、主は、二日間、スカルの町に滞
在されました。そして、主イエスから直接、みことばを聞
いてイエス様を「世の救い主」と信じ、告白しました。
(40-42)
 このことを通して、福音がサマリアの地で伝えられてい
ったのです。
 二日後、主イエスは、ガリラヤへ行かれます。(43)
主イエスは、預言者(ご自身)が故郷(ガリラヤ)では敬
われないと言われます。(44)
 ガリラヤの人たちは、主イエスがエルサレムで行われた
ことを知っていて、主を歓迎しましたが、イエス様を救い
主として信じ、受け入れてはいませんでした。(45)
        (ヨハネの福音書2章24-25節参照)
 主イエスは再びガリラヤのカナに行かれます。そこは
主イエスが「最初のしるし」として、水をぶどう酒に変え
られた場所でした。(46ab)(2章1-11節p184)
 カペナウムに、ある王室の役人がいました。(46c)
 (当時のガリラヤの領主ヘロデ・アンティパスの役人だった
と考えられている) 彼の息子が病気でした。彼は、息子を
癒してほしいと願い、主イエスのおられるカナに行きまし
た。(47)

2. 主イエスのことばを信じて
 主イエスは、王室の役人の願いにすぐには答えられませ

んでした。(48)
 この主の言葉は、先ほどのしるしと不思議を求めてしま
う、ガリラヤの人たちの姿を示しています。(44-45)
 役人はさらに、カペナウムに来てくださるようにと願い
ました。主イエスは、息子のいやしを約束されました。
                         (49-50ab)
 彼は、主の言葉を信じてカペナウムに帰ります。(50c)
(カペナウムとカナの距離は約60㎞)
 帰る途中で、迎えに来たしもべたちから、息子がいやさ
れたことを聞きました。(51)
 子どもがいやされた時刻は、「昨日の第七の時(午後1
時)」(52)でした。
 その時刻は、主イエスが役人に「あなたの息子は治る」
と言われた時刻でした。そのことを知った彼と彼の家の者
たちも、主イエスを信じました。(53)
 主イエスはこのみわざを、ガリラヤでの第二の
しるしとして成されました。(54)
 かつてカナで「最初のしるし」を見た弟子たちは、その
ことによって主イエスに対する信仰が強められました。
          (ヨハネの福音書2章11節p178)
 それに続き主イエスは弟子たちとともにユダヤ地方に
行かれましたが、そこでユダヤ人たちの不信仰に遭遇され
ました。(ヨハネの福音書2章16節p16、
            3章12節p180 等)
 しかし、それとは対照的にサマリアの人々は主イエスを
信じました。

論)王室の役人は、主イエスのことばを信じ、それを心
に留めて息子のところに帰りました。(50)
 彼の姿勢を通して、みことばによって主を信じることの
大切さを示されます。
 主イエスは、ご自身を、罪を赦し、永遠のいのちに生か
してくださるお方と私たちが信じ、心に受け入れることを
願っておられるのです。
        (ヨハネの福音書3章15-16節p180)
               4章14節p182)
 主イエスの弟子たちも、最初はしるしと不思議を見て信
じましたが、主イエスによって少しずつ造り変えられ、復
活された主から「見ないで信じる信仰」を示されました。
               (ヨハネの福音書20章29節p228)
 ペンテコステの日以降、聖霊とみことばによって
主イエスを信じる人たちが世界中に次々と起こされていき
ました。 (ペテロの手紙 第一1章8-9節p465) 
 主は今も、聖霊とみことばによって私たちに語りかけて
おられます。あわただしく過ぎる日々の中ですが、心を
主に向け、その静かなみ声を聞くときを持ちましょう。
そして、主のみことばと恵みに応え、信仰強められつつ、
進んでまいりましょう。