エペソ人への手紙4章11~16節

むしろ、愛をもって真理を語り、あらゆる点において、
かしらであるキリストに向かって成長するのです。
キリストによって、からだ全体は、あらゆる節々を支えと
して組み合わされ、つなぎ合わされ、それぞれの部分がそ
の分に応じて働くことにより成長して、愛のうちに建てら
れることになります。
            エペソ4章15-16節 (p.389)

序 論)エペソへの手紙の前半(1~3章)で、パウロは神の
恵みとキリストを信じる信仰による救いを語っています
 後半(4~6章は、教会に召された者としてのふさわしい
生き方とはどのようなものかが語られています。
 今回の箇所で示されることは…

本 論)
1.キリストのからだ(教会)を建て上げる
 地上にお生まれになり(9)、十字架で死なれた主イエスは
復活され、天に昇られました。(10)
 復活されキリストは、私たちに様々な贈り物(賜物)を与
えてくださっています。
 そして、教会に様々な恵みをくださり、使徒、預言者、
伝道者、牧師、教師を立てられます。(11)
   「キリストのからだ」(12)とは、教会のことです。
主イエスは、聖徒たちを整えるために、教役者(使徒、伝道
者、牧師たち)をお立てになりました。
 みことばによって養われ、強められた聖徒は奉仕の働き
をします。「奉仕」は、仕えること、世話をすることを意
味しています。ここでは弱い立場にいる人たちへの配慮か
らみことばの宣教まで、広い範囲での奉仕のわざを意味し
ています。
 「一人の成熟した大人」(13)は、原文では単数形となっ
ていますから、「教会」のことを指していると受け止める
ことができます。一人ひとりが「キリストに倣う者」とな
り、キリスト者として霊的に共に成長していくのです。
       (テサロニケ人への手紙 第一1章6節p408)

2. 愛のうちに結び合わされ、一つのからだとして成長する
 私たちが「子ども」(「霊的にまだ幼い者」)(14)のまま
であるなら人からの様々な間違った教えに影響され、信仰
が弱まったり、異端の教えに惑わされたりしてしまいます。
 そうならないためにも「神の御子に対する信仰と知識に
おいて一つとなり」(13)真理であられるキリストを正しく
知り、成熟していくことを神様は願っておられるのです。
 キリストによる救いの恵みは皆に同じように与えられて
います。そして、「キリストの賜物の量りにしたがって」
恵みである「賜物」は、個々の信徒に与えられています。
(7)
 私たちは賜物を用いてキリストを証ししていく役目や使
命が一人ひとりに与えられているのです。(15)
 からだがいろいろな部位が組み合わされているように、
教会も組み合わされなければなりません。違った部分がそ
の力量にふさわしく働き、愛のうちに結び合わされてこそ、
一つのからだとして成長できます。違った者同士が一致し
て歩むことができるところに、教会の素晴らしさがあるの
です。(16)
 「愛をもって…」(15)、「愛のうちに…」とあるように、
キリストの愛が私たちを「結び付ける帯」なのです。
 「そして、これらすべての上に愛を着けなさい。愛は
結びの帯として完全です。」
          (コロサイ人への手紙3章14節p405)
 私たちは一人で信仰の歩みを続けることは神様の願って
おられることではありません。
 聖書のみことばを通して共に神の御声を聞き続け、聖霊
をいただいた兄姉としてのつながり(交わり)を大切にして
まいりましょう。
 

結 論)「感謝のいけにえ」(本日の交読文 詩篇51篇14節)
は、私たちにとっては、神様のご愛と恵みへの応答とし
ての感謝の賛美、神様に従うこと、主への奉仕です。
 神様が私たちに与えてくださっている賜物を、教会の成
長のために用いさせていただきましょう。
 私たちにキリストの十字架に現わされた神様のご愛が注
がれ続けています。キリストによって、神様に赦されたか
らこそ人を赦し、神様に愛されているからこそ、神を愛し
隣人を愛して歩んでまいりましょう。

(参考)
 渡辺禎雄 版画家 (1913-1936)

『キリストにならいて』(トマス・ア・ケンピス)
                        (1379-1471)