御使いは彼らに言った。「恐れることはありませ。見な
さい。私は、この民全体に与えられる、大きな喜びを告げ知
らせます。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主が
お生まれになりました。この方こそ主キリストです。…」 ルカ2章10-11節 (p.110)
序 論) 当時のローマ皇帝の出した人口調査の勅令に従い、ヨセフとマリアは、普段暮らしていたナザレからベツレヘ
ムに行きました。マリアは臨月を迎えていましたが、「宿
屋には彼らのいる場所がなかった」(7)ので、主イエスは
家畜小屋の「飼葉桶」で誕生されました。
その晩、ベツレヘム近くの野原で羊の群れの番をしてい
た羊飼いたちは…
1.御子の御誕生を告げられた
静かな夜でしたが、突然、まぶしい光が辺りを照らし、
御使い(天使)が現われました。羊飼いたちは驚き、恐れま
す。(9)
御使いは、「恐れることはありません。…大きな喜びを
告げ知らせます。」と言い、「…あなたがたのために救い
主がお生まれになりました。…」と告げました。(10-11)
当時、羊飼いは貧しく、人口調査の対象にもされないほ
どに身分の低い者とされていました。宗教指導者たちから
は汚れた人々とみなされ、神殿に礼拝に行くこともできま
せんでした。
でも、神様はそんな羊飼いたちに、救い主の御誕生の
知らせを一番先に届けて下さいました。
御使いが「すべての民に与えられる大きな喜び…」と
告げたように、父なる神様からの最高の愛の贈り物である
御子イエス様をすべての人に与えられたのです。その知ら
せを最初に聞いた「全人類の代表」が羊飼いたちでした。
続いて、「天の軍勢」(13)、数えきれないほどの御使い
が現われ、神様を賛美する大合唱が始まりました。「いと
高きで所で、栄光が神にあるように、地の上で、平和がみ
心にかなう人々にあるように。」(14)
2. 御子を自分の目で見、証しした
御使いたちが去ると元の静けさが戻りました。羊飼いた
ちは「さあ、ベツレヘムまで行って、主が私たちに知らせ
てくださったこの出来事を見届けて来よう。」と互いに語
り合いました。(15) そして急いでベツレヘムに出かけ、
御使いの言葉通り、飼葉桶に眠る赤ん坊を探し当てました
(16)。
彼らは、御使いから聞いたことを、マリアやヨセフや町
で会った人たちに伝えました。(17)
人々はこのことを聞いて驚きましたが、マリアは、これ
らの事をことごとく心に留めて、思いめぐらしていました。
(18-20) 彼女には、10ヶ月ほど前に聞いた御使いガブ
リエルの言葉を、もう一度深い畏れをもって、思い起して
いたことでしょう。(1章30-33節 p.107)
羊飼いたちは心から神様を賛美しながら帰っていきまし
た(20)。羊飼いたちが帰って行ったベツレヘムの、野原も
仕事も今までと変わりはありません。でも、神様が私たち
を愛し、顧みて下さった、そして御子イエス様を与えて下
さったという喜びと共に神様を信じて生活していったこと
でしょう。
羊飼いたちは、御使いの知らせを聞くまでは、自分たち
は神様から遠い存在だと思っていたかもしれません。この
生涯に一度しかない特別な夜もいつもと同じ羊の番の仕事
をしていました。でも、神様の方から彼らを訪ねて来られ、
御使いを通して御声をかけられたのです。その言葉を聞い
て羊飼いたちはすぐ御子イエス様のもとに向かい、救い主
にお会いすることができました。
神様は、今も、聖書を通して私たちに語り掛けられ、
イエス様が、神の御子、救い主であることを告げ知らせて
おられます。
結 論)御使いは羊飼いたちに、救い主イエス様の御誕生は
「あなたがたのため」の救いの出来事だと告げました。
(11)
神様は「あなたのために」、私たち一人ひとりのために
も救い主を送ってくださったのです。主イエスは、十字架
の死と復活によって私たちを罪から救い、私たちと共に生
きてくださるためにこの地上に来てくださいました。
それが御使いの告げた「大きな喜びの知らせ」です。
イエス様は主、神ご自身であり、私たちのキリスト(救い
主)です。
主イエスの御降誕を共に喜び賛美するこのクリスマスの
とき、イエス様を神の御子、救い主と信じ、心に受け入れ、
神様の愛の注ぎを受け、キリストに従う道を歩んでまいり
ましょう。