ヨハネの福音書3章22~36節

「…花嫁を迎えるのは花婿です。そばに立って花婿が語る
ことに耳を傾けている友人は、花婿の声を聞いて大いに喜
びます。ですから、私もその喜びに満ちあふれています。
あの方は盛んになり、私は衰えなければなりません。」上か
ら来られる方は、すべてのものの上におられる。地から出
る者は地に属し、地のことを話す。天から来られる方は、
すべてのものの上におられる。
                      ヨハネ 3章29-31節 (p.181)

 序 論)今回の箇所の前半では、バプテスマのヨハネのこ
とが語られています。後半では、御子イエス様について告
げられています。今回の箇所から示されることは…

本 論)
1、救い主を証しするヨハネ
 ユダヤの地に行かれた主イエスはそこに滞在され、バプ
テスマを授けておられました。(22)
 同じ頃、ヨハネはサリムに近いアイノンという所でバプ
テスマを授けていました。(23)
 ヨハネの弟子たちは、皆がバプテスマを授けておられる
主イエスのほうに行くことに対し、いらだちを覚えていま
した。(25)
 ヨハネは自分の弟子たちに、主イエスが神からの権威を
持っておられる方であることを語ります。(27)
 ヨハネは、以前に語った「わたしはキリストではありま
せん。むしろ、その方の前に私は遣わされたのです。」
という証言を繰り返し述べました。(28)
                         (ヨハネの福音書1章20、23節p176)
 ヨハネの使命は、婚礼の席を用意するために遣わされる
「花婿の友人」(「介添人」)のようにメシア(救い主)であ
る主イエスの先導役を努めることでした。(29-30)
 介添人によって、花婿と花嫁が結ばれるように、ヨハネ
によって、花婿(主イエス)と花嫁(ユダヤの民、異邦人た
ち)は結び合わされました。
  バプテスマのヨハネは、喜びをもって主イエスを指し示
し、神の御子、救い主であることを証しして、その生涯を
終えました。(30)
             (マタイの福音書14章1-12節p28)
                     (マルコの福音書6章14-29節p76)

  2、御子についての証言
 ヨハネは救い主の先駆者として神様から遣わされた者で
した。しかし、他のユダヤ教の教師(ラビ)と同じように、
「地から出る者」(人間)であり、「地のこと」しか語るこ
とはできません。(31)
 主イエスだけが「天から来られる方」(31)なのです。
 主イエスは神様から見聞きしたことを語られますが、
人々はその証しを受け入れません。(32)
 しかし、その証しを受け入れる者(主イエスを信じ、受
け入れる者)に対して、神様はそのことが真実であると保
証してくださいます。(33)
 神様が遣わされた御子イエス様は神のことばを語られま
す。(34a)
 父なる神様は主イエスに御霊(聖霊)を無限に注がれ、す
べてを与えられました。(34b-35)
 イエス様を神の御子、救い主と信じ、受け入れる者は、
永遠のいのちを与えられるのです。(36)
                        (ヨハネの福音書3章16節p180)
 バプテスマのヨハネの働きによって、人々は悔い改め、
神様に立ち帰り、「天から来られた方」主イエスを信じる
人たちが起こされていきました。

結 論)主イエスは十字架にかかられ、復活されました。
主イエスを信じる者は、罪赦され、聖霊がうちに与えられ
ます。
 聖霊によって、私たちの心はきよめられ、造り変えられ
ていきます。
 私たちは神のことばによって福音を知り、主イエスを信
じる者とされ、主イエスに結び合わされました。
 私たちも、バプテスマのヨハネのように主イエスを証し
する使命が与えられています。
 主イエスを信じる人たちが起こされていくこと、それが
私たちにとって大きな喜びとなるのです。

(参考)
  マティアス・グリューネヴァルト(1470頃-1528)
            ドイツの画家
    代表作『イーゼンハイム祭壇画』

  ルーカス・クラナッハ(1472-1533)
         ドイツの画家
   『マルティン・ルターの肖像』(1529)
    『説教壇から説教するルター』等
             多くの作品を残した。