使徒の働き26章9~32節

わたしは、あなたをこの民と異邦人の中から救い出し、
彼らのところに遣わす。それは彼らの目を開いて、
闇から光に、サタンの支配から神に立ち返らせ、こうし
てわたしを信じる信仰によって、彼らが罪の赦しを得て、
聖なるものとされた人々とともに相続にあずかるためで
ある。                      使徒26章17~18節(p.290) 

序 論)パウロはアグリッパ王の前で、恐れずに、堂々と
弁明しました。(2-8)
 さらにパウロは復活のキリストにお出会いして回心に
至った経緯を証しします。
 パウロの語ったことと、それを聞いたアグリッパ王たち
の言動を通して示されることは…

本 論)1、主がパウロを遣わされる
 パウロは、かつて自分自身が「ナザレ人イエスの名に対
して」(9)キリスト者を迫害していた者であったことを語
ります。(10-11)
 しかし、ダマスコ途上で天からの光に照らされ、復活さ
れた主イエスの御声を聞きました。(12-15)
 牛が「とげの付いた棒」に逆らえば痛い思いをするよう
に(14)、パウロは主イエスを迫害することによって、自
らを傷つけていました。そのような彼を主イエスがとらえ、
回心に導いてくださったのです。
 主イエスは、パウロにキリストの「奉仕者、また証人」
として生きる使命を与えられます。(16)                
 彼は、まず「この民(ユダヤ人)と異邦人」(この世)から
「救い出され」、次に「彼らのところ」に遣わされます。
  (17-18)
 そして「天からの啓示に従って」(19)、忠実に伝道者
として歩んできたことを語りました。 (20-23)
 「預言者たちやモーセが後に起こるはずだと語ったこ
と」(旧約聖書で預言されていたこと)とは、イエス・キリ
ストの十字架の死と復活です。(22)
 そして、主イエスが世界の「光」なのです。(23)

2、王と総督の反応 
 パウロが弁明の中で福音を語っている途中で、総督フェ
ストスがそれを止めさせました。(24)
 彼は、「…博学がおまえを狂わせている」(24)と大声
で言いました。しかし、パウロは「…私は、真実で理にか
なったことばを話しています。」(25)と語ります。
 総督の妨害に屈せず、パウロはアグリッパ王に問いかけ
ました。(26-27)
 王はパウロの率直な話しぶりに心を開きつつも、「は
い」とも「いいえ」とも答えることができませんでした。
そして、パウロの言葉の多少を問題にしてはぐらかそうと
します。(28)
 パウロは、すべての聞き手が「私のようになってくださ
ること」(キリストを信じ、従う者となる)ことを願って福
音と招きの言葉を語りました。(29)
 このときのパウロは、自分の無罪を示すためではなく、
一人の魂を救いに導くために福音を語ったのです。
 パウロが話し終わると、王、総督、ベルニケ、列席の
人々も立ち上がりました。(30)
彼らは退場してからパウロの無罪を認める発言をしまし
た。(31)
 アグリッパ王は総督に「あの人は、もしカエサルに上訴
していなかったら、釈放してもらえたであろうに」(32)
と語りました。
 しかし、主イエスはパウロを用いてローマ宣教のご計画
を進めていかれました。

結 論)パウロは手紙の中でも「ですから、あなたがたに
勧めます。私に倣う者となってください。」(Ⅰコリント
4章16節p331)と語っています。
 パウロがキリストを信じ、従い、キリストに倣って歩み
続けたように、私たちもキリストに倣って歩んでまいりま
しょう。
 イエス・キリストの証人は、人々を闇から光に移し、
神に立ち返らせ、罪の赦しを得させ、御国を受け継がせる
使命が与えられています。(18)
 復活のキリストに生かされ、光をいただいている私たち
を通して、福音は伝えられていくのです。
 パウロがキリストの復活の証人として歩んだように、
私たちも遣わされた場、置かれた所で、周りの人たちと良
い人間関係を築き、良き交わりを持ちながら、言行を通し
て主を証ししてまいりましょう。