「…それから私がエルサレムに帰り、宮で祈っていたとき、
私は夢心地になりました。そして主を見たのです。主は私に
こう語られました。『早く、急いでエルサレムを離れなさい。
わたしについてあなたがする証しを、人々は受け入れないか
ら。』…すると主は私に、『行きなさい。わたしはあなたを
遠く異邦人に遣わす』 と 言われました。」
使徒22章17-18、21節(p.282)
序 論)パウロは千人隊長たちに捕えられ、兵営に連れて
いかれそうになります。途中、千人隊長の許可を得、兵営
に続く階段の上から、ユダヤ人たちに説教をします。
(21章33-40節)
回心の証し(22章3-16節)の後、パウロが語ったこと
と説教の後に起こった出来事を通して示されることは…
本 論)
1、異邦人への宣教者
ダマスコで復活された主イエスにお出会いしたパウロは、
その後、エルサレムの宮(神殿)に行きました。
宮で祈っているとき、パウロは夢心地になり、復活の主
を見ました。(17-18a)
主イエスは彼にエルサレムを離れるように告げられます。
(18b)
パウロは、このときまでエルサレムで証しするつもりで
した。自分がかつて教会の迫害者であり、そのことを知っ
ていた人が多くいたからです。しかし、エルサレムを離れ
ることが主イエスの御旨であることを知りました。(19-20)
主はパウロにエルサレムを離れるように命じられた後、
彼を異邦人に遣わすと言われます。(21)
パウロがかつて主イエスにお尋ねしたことに、主はここ
で応えられ、彼の使命を告げられたのです。(9)(21)
パウロを異邦人への伝道に遣わされることは主の御旨
だったのです。この主の言葉によって、自分は異邦人伝道
に立ち上がったと、パウロはユダヤ人たちに語りました。
2、ローマ市民権の主張
パウロが異邦人伝道について言及すると、群衆は再び騒
然となりました。彼らは激しい拒絶の声を上げ、それを示
しました。(22-23) (「上着を放り投げ、ちりを空中にま
き散らす」ことは、彼らの怒りと憎悪の表現)
神様が異邦人をも救おうとしておられるということ(「異
邦人の福音」)を彼らは受け入れることができなかったので
す。
パウロの弁明の内容も理解できず、騒動の有様を見た千
人隊長はパウロを縛り、むちを打って取り調べをしようと
します。(24-25a)
それに対してパウロは、自分が「ローマ市民」であるこ
とを告げます。(25)
報告を受けた千人隊長は、直接パウロに確認した上で、
自分は大金で「市民権を手に入れた」と打ち明けました。
(27-28)
パウロは、自分の市民権は「生まれながら」のものだと
言いました。(28) (当時、買い取ったものより価値がある
と考えらていた)
取り調べをしようとしていた人たちは、これを聞き、態
度を一変します。(29)
千人隊長は騒ぎの真相を知ろうとパウロの鎖を解き、ユ
ダヤ人議会を招集しました。彼は、パウロに正式な弁明の
機会を与えたのです。(30)
パウロは、危機を脱し、聖霊に導かれ、ユダヤ人たちの
前に立って弁明し、再び福音を語り主を証ししようとし
ます。
結 論)パウロは、ユダヤ人も、異邦人もイエス様を
神の御子、救い主と信じる信仰によって義とされる
という福音を宣べ伝えました。
(ローマ人への手紙3章24、28-30節p302)
「わたし(主イエス)はあなた(パウロ)を遠く異邦人に遣
わす」(21)と言われたように、パウロを通して福音を世界
に伝えることが神様のご計画でした。すべての人が救われ
ることが神様のみこころなのです。
主イエスがパウロを遣わされたように、今も主は私たち
を通して、福音を宣べ伝えようとしておられます。
主が遣わしてくださるところ、今、置かれているところ
で、周りの人たちとのよき信頼関係を築き、愛のわざをな
し、主イエスを証ししてまいりましょう。