私が道を進んで、真昼ごろダマスコの近くまで来たとき、突
然、天からのまばゆい光が私の周りを照らしました。私は地
に倒れ、私に語りかける声を聞きました。『サウロ、サウロ、
どうしてわたしを迫害するのか。』私が答えて、『主よ、あな
たはどなたですか』と言うと、その方は私に言われました。
『わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスである。』 使徒21章6-8節(p.281)
序 論)アジアから来たユダヤ人たちは、パウロが宮(神殿)
にいるところを見ました。彼らは群衆を扇動し、町は大騒
ぎになります。その様子を聞いた千人隊長たちが駆け付け、
パウロを捕らえ、兵営に連れていこうとします。(27-35)
その後、パウロが語り、行ったことを通して示される
ことは…
本 論)
1、キリストにお出会いする前は…
兵営に連れて行かれる途中、パウロは千人隊長に話しか
けます。(37) パウロがギリシア語を話すことを知って、
彼は驚きました。
彼はパウロが、反ローマ暴動の首謀者だと誤解していた
のです。(38)
千人隊長の許可を得て、パウロは兵営に続く階段の上か
らヘブル語で語り始めます。大騒ぎをしていたユダヤ人た
ちも静かになりました。(39-40)
まず、パウロ自身のキリストに出会う以前の状態を語り
ます。
彼は、離散ユダヤ人として生まれ、エルサレムに来て、
当時最高の律法学者「ガマリエル」(3)の門下で学びました。
ラビ(教師)として訓練を受け、律法にも通じていました。
熱心なユダヤ教徒であり、キリスト者を迫害し、死に至
らせたこともありました。(3-4)
それは、ユダヤ教の指導者たちも証言できる事実でした。
そして、パウロは、「ダマスコ」のキリスト者を「縛り上
げ、…処罰するため」そこに向かいました。(5)
2、キリストとの出会い
パウロは、自分に起こった出来事を語ります。
(使徒9章1-9節p250参照)
ダマスコに行く途中、突然、「天からのまばゆい光」が
彼を照らしました。彼はそれに打たれて地に倒れます。
そして、主イエスの御声を聞きました。(6-8)
教会を迫害することはすなわち主イエスを迫害すること
でした。
そして「ナザレのイエス」(8)ということばには、今、語
りかけておられるのは復活された主イエスご自身であるこ
と、が示されています。
復活され、今も生きておられるキリストとの出会いは、
パウロの生涯の大きな転機となりました。(6-11)
パウロは、自分のなすべきことを主イエスに尋ねます。
主は、パウロが行こうとしていたダマスコに行くように命
じられます。そこで、自分の使命が告げられる、と言われ
ました。(10)
キリスト者を迫害しようとして向かっていたダマスコは
彼の救いと新しい使命が告げられる場所となります。
ダマスコで出会ったアナニヤのとりなしの祈りと言葉に
より、パウロは、視力を回復しました。(12-13)
そして、パウロは自分の使命を彼を通して告げられます。
(14-15)
そして主イエスの御名によってバプテスマ(洗礼)を受け
ました。(16)
パウロは、罪赦され、新しい人とされて歩み始めました。
結 論)パウロの回心の証しを通して、キリスト者の証しと
はどのようなものかを教えられます。
その証しとは、自分がかつてどうであったかの過去、ど
のようにキリストとお出会いしたのかという転機、そして、
主の恵みによってどうのようになっているかの現在を語る
ことであり、そのことを通して主イエスの恵みを伝えるこ
とです。
どのような形でも、自分が信仰によってどのように変え
られたか、救いの経験を率直に話せばいのです。
今も、主イエスは、聖霊により、私たちの救いの証しを
用いて、聞く人の心に働きかけておられます。
いのちの光である主イエスからの光をうちにいただいて
共に歩み、主の恵みを証ししてまいりましょう。