人の歩みは主によって定められる。人はどうして自分の道を悟ることが
できるだろう。 箴言20章24節 (p.1119)
序 論) ヤコブには12人の子どもがいました。下から2番目の子ヨセフは
最愛の妻ラケルが産んだ子でした。ヤコブが高齢になってから生まれた
ので特にかわいがられました。(3) ヨセフとその兄弟たちの間で起こった
ことは…
1、ヨセフの二つの夢と兄たちのねたみ
ヤコブは、ヨセフにだけ上等な上着を作ってあげるなど、特別扱いして
いました。それにヨセフは、兄たちが何か悪いことをすると、父ヤコブに
告げ口するのです。兄たちはヨセフを嫌いました。(2、4)
ある時、ヨセフは不思議な夢を見て兄たちに話しました。(5-7)
畑でヨセフの作った麦の束を、兄たちの麦の束が拝んだというのです。
こんな話を聞かせるヨセフに対して兄たちは怒り、ますます憎みました。
ヨセフはまた別の夢を見ました。(9) 太陽と月は父と母を、十一の星は
兄弟たちを示しています。ヨセフのこの夢のことも話し、ヤコブもそれを
聞きました。ヨセフに甘いヤコブですが、この時はさすがに彼を叱りまし
た。(10)
それでもヤコブは、この夢を心に留めておきました。(11) 何か深い意味が
あるのではないかと感じたのです。
しかし、兄たちは一層ヨセフを憎みました。
なぜ、神様はこのとき、ヨセフにこのような夢を見せられたのでしょう。
神様は、これからヨセフが歩むことになる大きな苦難の道をすべてご存じで
した。今後、苦難の中でこの夢を以前見たことを彼に思い起こさせ、彼を励
ますため、この夢を見せられたのかもしれません。
この夢は、将来、実現することになります。
2、売られたヨセフ
ある時、兄たちは、羊の群れを連れて出かけました。父ヤコブはヨセフに
彼らの様子を見てくるように言います。(12-13)
ヨセフは兄たちを探しに遠い野原に出かけました。ヨセフがやって来るのを
見て、兄たちは彼の命を奪ってしまおうと相談しました。(18-20) 兄たちは
それほどヨセフを憎むようになっていたのです。
しかし、長男のルベンは反対します。(21) ルベンは後にヨセフを助けてあげ
るつもりでした。(22)
兄たちは、やって来たヨセフを捕まえると、父ヤコブが与えた上着をはぎ
取りました。そして、ヨセフを、荒野の深い穴に投げ込んだのです。(23)
その兄たちは座って食事を始めました。そこにエジプトに向かう商人が
通りかかりました。兄のユダはヨセフに彼らを売り渡すことを提案します。
兄たちは賛成し、ヨセフを穴から引き上げ、実の弟を外国の商人たちに売っ
てしまいました。(25-28)
その時その場にいなかった長男のルベンは、荒野の穴をのぞき込んで、
ヨセフがいないことに気づき、どうしていいかわからなくなってしまいま
した。(29-30)
父ヤコブに真実を話せない兄たちは、つじつまを合わせるため証拠づく
りをします。父がヨセフに与えた長服を、ほふった雄やぎの血に浸し、
人を遣わして送り届けました。(31-32)
兄たちの思惑通り、ヤコブはヨセフが獣に食い殺されたと信じ込み、
幾日も悲嘆に暮れました。(33-35)
一方ヨセフは、エジプトのファラオ(王)の廷臣、侍従長ポティファルに
奴隷として売られてしまいました。(36)遠い未知の国エジプトで、今後、
自分はどうなってしまうのか、ヨセフとしては先行きが全く見通せず、
絶望に襲われたことでしょう。
しかし、聖書はまさにここからかつて彼に示された夢、神のご計画が
いよいよ実現していくことを語っていきます。
結 論) ヨセフは父ヤコブに愛され、守られる毎日から、突然知らない
外国に連れていかれるという、どん底に突き落とされました。
けれども後にわかりますが、背後には神様の特別なご計画があり、
このつらい出来事にも意味があったのです。
私たちも思いがけない試練にあうことがあるかもしれません。しかし、
神様はすべての人を永遠のご計画をもって私たちを創造され、導いてく
ださっています。
「…人はどうして自分の道を悟ることができるだろう。」
(箴言20章24節p.1119)
それは、誰にもわかりません。大切なのは、神様がすべてをご存じであり、
必ず実現してくださると信頼することです。
私たちは背後にある神様のご計画と、どんなときも共にいてくださる
イエス様に信頼して歩みましょう。