「…ただ、聖霊があなたがたにくだる時、あなたがたは力を受けて、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで、わたしの証人となるであろう」。 こう言い終ると、イエスは彼らの見ている前で天に上げられ、雲に迎えられて、その姿が見えなくなった。 使徒1章8-9節 (p.180)
序 論)
ルカは、「第一巻」(1節)(ルカ福音書のこと)で、 イエス様の行い、教え、昇天までを記しました。そして、 この「第二巻」(使徒行伝)で、主イエスのお働きが、聖霊によって引き続きなされていく、新しい時代(聖霊の時代)の到来を告げています。
復活され、弟子たちの前に40日間、御姿を現された 後、主イエスが彼らに約束されたことと主の昇天後のみ使いの言葉は…
1.聖霊を受け、主の証人となる
弟子たちと食事を共にしておられたイエス様は、「エルサレムから離れないで、かねてわたしから聞いていた父の約束を待っているがよい。…」(4)と言われました。
「父の約束」は、旧約聖書の預言によれば、神様が、 「わたしの霊をすべての人に注ごう。」(ヨエル書2章28節p.1264 使徒行伝2章17節p.182)と言われた「神の霊」(聖霊)を与えて下さる約束です。
さらに「すなわち、ヨハネは水でバプテスマを授けたが、あなたがたは間もなく聖霊によって、バプテスマを授けられるであろう。」(5)と約束されました。
イエス様が天にあげられる前にも、弟子たちの関心はまだ、イスラエルの国の政治的な行く末でした(6)。
しかし、イエス様は彼らの質問に答えることをなさらず、 神様がなそうとしておられることを告げられました(7-8)。 それは、聖霊が弟子たちに与えられることです。 イエス様が「別の助け主」(「もうひとりの助け主」(新改訳))(ヨハネによる福音書14章16節 p.165)と呼ばれた聖霊によって、弟子たちは力を受け、「エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、さらに地のはてまで」(8)イエス・ キリストの証人とされるのです。
それは、イスラエルにとどまらず、世界中のすべての場所にまで及ぶ恵みです。これは、決して弟子たちの中から 出てきた計画では、ありませんでした。世界宣教はこのときの弟子たちが考えもしなかったことで、イエス様が言われることが実現するとは到底思えなかったことでしょう。
しかしこの後、イエス様が昇天された後、彼らはただ父の約束を信じ、その約束が実現する日を待ちつつ、祈り続けました。(使徒行伝1章14節 p.180)
聖霊は目には見えませんが、私たちといつも共にいて下さる神様です。臆病だった弟子たちも、聖霊が降った後、聖霊の力によって、力強くイエス様を証しする証人へと変えられました。彼らの力強い歩みは使徒行伝2章以降に記されています。
2.主の再臨の約束
弟子たちが見ている前でキリストは天に上げられ、雲に 迎えられてその御姿が見えなくなりました(9)。 復活の主イエスを見た弟子たちはさらに昇天される 主イエスを見たのです。 「…天に昇り、全能の父なる神の右に座したまえり。」 (使徒信条の言葉)
弟子たちがなお天を見つめていたとき、二人のみ使いが 現われ、「…あなたがたを離れて天に上げられたこのイエスは、天に上って行かれるのをあなたがたが見たのと同じ有様で、またおいでになるであろう」(11)と語りました。
弟子たちは、イエス様が力と栄光を帯びて天に昇っていかれるのを目撃しました。それと同じように、力と栄光のうちにイエス様はこの地上に再び来られるのです。
「イエス様は、またおいでになる」というキリストの再臨の約束は、キリストを信じて歩む者たちの大きな希望となりました。それは、今、キリストを信じて、地上の生涯を歩んでいる私たちにとっても大きな希望です。
結 論)
イエス様は聖霊によって今も信じる私たちと共に、 そして私たちの内におられます。 でも、今は肉眼では見えないし、直接、触れることもできません。だから、イエス様が輝く御姿で天から降って来 られる(再臨される)のを心から待ち望みます。そのときまで、私たちは日々地上でそれぞれが成すべきことを成し、神様から与えられた使命を果たしてまいりましょう。 天の父なる神様は、今もこの世界を統(す)べ治められ、この世界をご計画をもって導いておられます。神様が約束されたイエス様の再臨も必ず実現します。 私たちは忍耐と希望をもってイエス様の再臨の日を待ち望みつつ、聖霊に導かれ、力をいただきながら歩み続けてまいりましょう。